しつけの厳しい親。発達障害児に与える影響 (2)

しつけの厳しい親に育てられ、うつになってしまった発達障害の人がいます。 ...

この人の母親は、しつけに厳しい人でした。幼い頃から礼儀作法を厳しく仕込まれたといいます。「１度言われてできないと、母から叱られました。同じことを２度言われちゃダメ、とも」。この人の子供時代は、緊張の連続。胃痛や下痢で病院へ行くものの、特に悪いところはないと医者から言われる、といったことも度々あったと言います。

「母は、私のことを感受性の鋭い子だ、神経質な子だ、と言っていました。それを知ってるのなら、私への接し方を改めてくれればよかったのに、と思います。しかし母は違いました。どんどん萎縮していく私に、もっと明るい子になりなさい、とまで注文をつけました」。

この人は、大人になってうつ病を発症しました。「母は、私に発達障害児であることを知っていたと思います。だからこそ、発達障害児に見えないような振る舞いを私に強制し続けたのではないか、そうとしか思えません。私なんか生まれてこなかった方がよかったんだとしか思えず、一時は死を考えました」。

発達障害の人の生き辛さの問題には、「そんな親の元に育ったら、発達障害児じゃなくたって、おかしくなってしまうのではないか？」と思わざるを得ないケースがたくさんあります。発達障害の人の生き辛さは、発達障害だから、ではなく、親の「子供への無理解」が原因のことも多いのです。

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